ドラえもんの声

不覚にも涙が出そうになった。

サザエさんはどうでもいいのだが、やはりドラえもんの声が変わるのはショックだった。

年を取ったなあ(私が)と思うし、しょうがないよね、とも思う。

私の実家はわりと厳しい家庭で、漫画やテレビはほとんどダメ。父親が読むのを許可してくれたのがドラえもんだった。幼稚園に通っていた頃、ひらがなを覚えて読んだのがドラえもんの漫画だったなあ。まだ漢字は無理だったので、読めない漢字を大人に聞いて漢字も覚えた。もうあの声が聴けなくなるんだなあと思うと、ただ、悲しい。

結局、お前さんにとってドラえもんって何だったの? というと、そこに在り続けることで私に安心感をもたらす、つまるところ、私のアイデンティティの一端を担うものだったのだなあ。

声優変更のニュースは前々から知っていて、ふーんと思っていたが、こうやって新しい声を聴いて、そんなことを思い知る。