木堂椎「りはめより100倍恐ろしい」

野性時代青春文学大賞候補作。

いじりはいじめより100倍恐ろしい。バスケット部員・羽柴は中学ではいじられキャラだった。親友の協力もあって、高校デビューしたいまでは何よりそれを恐れている。いじめには被害者にその要因があるが、いじられキャラには理由がない。ただ面白い奴が標的になる。才能があり、力もある牧グループを前にして、俺は危うい。そして、みんなを笑わせる才能のあるナガさんは、もっと危うい。俺は中学時代の経験をふまえ、ぐっきーをいじられキャラにすべく一計をたてるが……。

タイトルにセンスを感じるなあ。WEBではめちゃくちゃ読みにくいので携帯サービスのほうで読んだ。面白かった。会話がすごくみずみずしくて、現実感がある。けど最後はやばいな。あざとさは確かに感じるけど、でも、この毒がいいんじゃねーの? 私はこの人の小説、もっと読んでみたいと思う。