宇宙戦争（ASIN:B000BC8IYW）

観てきた。この映画について、予備知識はなかったものの、冒頭で、あー、やっぱりこれ、H.G.ウェルズが原作なんだ、と。

宇宙戦争

小学生の時、寝る前に読んで怖くて眠れなかった、今でも忘れられないSF小説です……が、切り口は違うものの、落ちまで一緒なんだーね。

地球上の微生物に侵されて、宇宙人が自滅するという。

なんていうか、ほげー、という気にもなれない。

地球侵略ものを観ると、わりとこの落ちがつきまとっているように思えるが、やっぱりこれって、ウェルズの影響なんすか？　それとも、宇宙人を駆逐する方法って、いまだにこれしか考えられないんすか？　百年前だったらこれでもいいんですが、21世紀に微生物で死にましたってギャグ？　ギャグなのか。百万年前からトライポッド地球に埋めといて、やつらどんだけ馬鹿なんだ。こんなところまでウェルズをリスペクトしなくていいよ（笑）

ある地域を殲滅しろと言われたら、私ですら、まず、んーじゃあ天然痘でもまいとくかと思うんですが、作中の宇宙人たちはウィルスとか細菌のいない星にすんでいたんですかねえ？

レイの息子がいきなり義勇兵になりたがるのもかなり唐突だし、主人公より先に実家へ到達してるのも相当無理があるだろう。どこでもドア使用？

映像は高クオリティ。CGはローレライや戦国自衛隊とは雲泥の差ですね。音楽もいい。

演出もトライポッドの描写やパニックにおちいった群衆の描き方は秀逸で、ホラーでも通じると思う。ただ、ダコタ・ファニング扮するレイチェルの熱演のおかげで、少女のキーキー声がうるさくてたまらん。ここまで真に迫ると不快だということを初めて知った。

ウェルズを知らない人は観てもいいかなあ。ストーリーを楽しむというより、ハリウッドの映像技術に圧倒される映画、って感じ。

余談だが、「わけのわからない侵略者が突然現れて街中を破壊していく」という筋書きは、大して戦争の持つ記号とかわりないように思えるんだが、現実にそれを映画にしちゃうのがハリウッドというのが、皮肉っぽくておもろい。実際のイラク人もこんなふうに思っていたりしてね。