大塚 英志『僕は天使の羽根を踏まない』徳間デュアル文庫

僕は天使の羽根を踏まない徳間デュアル文庫

MADARAシリーズは全くわからない。これのみ。一見、E.M. フォースターを連想させるような不思議な語感のあるタイトル。章タイトルもそうだけど。

前世にまつわる少年と少女の……うーん、めちゃくちゃジュブナイルだった。行きて帰りし物語で、成長物語してた。昨日読んだ、インサイド・ワールドのときも思ったんだけど、なぜ彼らはより健全な社会へ戻っていかなければならないのか? 逆説的に終わらせるのも全然アリだと思うんだけど、わざわざジュブナイルの定型に落とし込んで媚びうらなきゃいけないのかなー、という。大塚英志がわざわざあとがきで現実を突きつける物語を書きたかったと断らなきゃいけないほどの物語なのこれ?