デボラ・シモンズ『侯爵は恋泥棒 (HS223)』ハーレクイン・ヒストリカル

侯爵は恋泥棒ハーレクイン・ヒストリカル (HS223)

  • 作者: デボラ・シモンズ, 古沢絵里,
  • メーカー/出版社: ハーレクイン
  • 定価:¥ 903
  • 発売日: 2005/06
  • ISBN:4596322236

英国摂政時代の侯爵と令嬢のロマンス。バースで生まれ育ったお嬢さんのジョージアナはとっても頭がいいんだけど、美人だというだけで周りはお馬鹿さんあつかい。私が男だったら今頃探偵になって、ロンドンで難事件を解決しているはずなのに! そんな折り、退屈な夏の保養地でレディ・カルペパーの宝石盗難事件がおこり、ジョージアナは宝石を見つけ出して華々しく探偵デビューを飾ろうとするが……というお話。

なんていうか、タイトルが恥ずかしいね、これ

冒頭から泥棒の正体がわかっているので驚きも何もなく話が進んでいきます。うん、まあ、だってタイトル……。タイトルのネーミングのすばらしいセンスはともかく、ハーレクインで驚きを求める方が多分無茶なんでしょう。ヒロインと魅力的な男性が結ばれるのは絶対のお約束だしな。求めるのはせめてときめきくらいにしとけ>私。

とはいえ、知性溢れるはずのジョージアナは抜群の行動力のためか、ただのお馬鹿さんにしか見えない。そのジョージアナに振り回される侯爵もかなりアホですね。これが恐らく19世紀で貴族の女性は分別があり、しとやかに振る舞うべきという大前提があるんだろうけど、ジョージアナのやることやることべて裏目に出てるんだもんなあ。

紆余曲折を経て恋泥棒と愛をはぐくんでいくわけですが、本書はその経緯を温かく見守れる人向きかな。お互いの気持ちを確認してからのやりとりはなかなか雰囲気がいい感じでした。